「おっさんフォース」管理人、みつーです。
「カースト制」って、パッと聞いた感じのイメージだと
人種差別的な制度だと思いますよね。
僕らが知っている人権の感覚から言うと
カースト制なんてありえないじゃないですか。
とは言いつつも、江戸時代には士農工商とか、
同和問題とか存在していますよね。
なので、一概に「日本には無い価値観」とは言いませんが、
インドのカースト制は、はっきりと身分が分かれていて
あからさまですよね。
改めて人権の事を考えた時に
インドのカースト制に興味を持ったので
どんなものなのか調べてみました。
ちなみに、現在のインドでは、
法律により差別的な行為は禁止されていますので、
徐々に変わりつつあるようです。
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目次
カースト制の根底にあるものとは
まず、カースト制のベースとなっている考えなのですが、
ヒンドゥー教やバラモン教の
『輪廻転生(りんねてんせい)』
という考えがベースとなっています。
人は何度も生まれ変わって
この世に生を受けるわけですが、
前世で良い行いをすると
高い階級に生まれることができ、
悪い行いをすると、低い階級に生まれ
過去の罪を清算する。
罪が清算されれば高い地位に生まれ変わる。
こんな繰り返しをするので、
低い階級がないと、罪を清算できない、
という事なのです。
ある種の自己救済ですね。
カースト制の概要
カースト制の概要をwikiで調べました。
『ヒンドゥー教における身分制度。
インドでは「カースト」でなく『ヴァルナとジャーティ』と呼ぶ。紀元前13世紀頃に、バラモン教の枠組みがつくられ、
その後、バラモン・クシャトリヤ・ヴァイシャ・シュードラの
4つの身分に大きく分けられるヴァルナとし定着した。職業別階級制度や内婚集団である『ジャーティ』もカースト制度に含まれる』
インドではカーストではなく
『ヴァルナ』って呼ばれてるんですね。
4つの身分
「バラモン:僧侶」
「クシャトリア:王侯・武士」
「ヴァイシャ:平民」
「シュードラ:隷属民」
これらの他にもう一つ
「アチュート」もしくは「ダリット」
と呼ばれるカーストにも入っていない
最下位の人たちが存在します。
そして、『ジャーティ』は職業的階級制度といい、
カーストを、さらに職業で細分化したものです。
その数、約3000種類あると言われています。
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ヴァルナについて
カースト制を構成する身分
ヴァルナについて、それぞれの階級を解説します。
カースト(ヴァルナ)はあくまで「身分」のことを指します。
経済や政治的に比例しないことも多いです。
貧しいバラモン(僧侶)もいれば、
裕福なシュードラ(隷属民)もいます。
バラモン:僧侶
ヴァルナの最高位。宗教的な支配者階級の種族。
その権威と利権を守るために、いくつもの規制をつくった。
知識階級であり、大臣や裁判官などの
職業に付く人が多い。
クシャトリア:王侯・武士
ヴァルナでの第二位の種族。
貴族または武士階級。クシャトリヤとは、
「権力を持つ者」という意味を持ち、
政治や軍事的支配をしています。
王族や貴族の少数を占め、バラモンの人々と並んで
支配者階級を作りあげています。
ヴァイシャ:平民
ヴァルナの第3位の種族。市民とも呼ばれています。
ヴァイシャ(平民)までが上位カーストとされます。
ヴァイシャ(平民)は、もともと農耕や牧畜、手工業など
庶民的な仕事をする階級でした。
しかし、都市住民が多くなってくると、
徐々に商業の仕事を受け持つようになっていき、
農民や手工業はシュードラ(隷属民)の仕事になっていきました。
ヴァイシャ(平民)は
バラモン教のヴェーダ聖典を学べることで、
「再生族」とも言われていましたが、
シュードラ(隷属民)はバラモン教を学ぶことすら
許されていません。
シュードラ:隷属民
ヴァルナの下位カーストで、
「労働者」と呼ばれています。
もともとは奴隷とされた被支配者階級で、
バラモン教を学ぶことが許されていませんでした。
売買されるような奴隷ではなく、自分の家族を持ち、
自分たちの財産も持っています。
もとは軽視されるような職業にしかつけなくなった
シュードラ(隷属民)の人々ですが、
次第にヴァイシャ(平民)は商売をするようになり、
シュードラ(隷属)の人々が農業や牧畜、手工業を
行うようになっていきました。
経済的にヴァイシャ(平民)に近づく人が現れてくる一方、
そうでない人々は、ヒンドゥー教社会で不浄とされる
仕事に就くようになり、そこから不可触民が生まれ、
さらにヴァルナの階級外へと分けられ
差別されるようになりました。
アチュート・ダリット:不可触民
カースト制度に属さない最下位の種族。
「触れると穢れる人間」と言われ、
見ることもいけないとされていました。
ヴァルナ(平民)の人たちが使用する井戸や
貯水池の使用も禁止されています。
1950年にはインド憲法の17条が制定され、
カーストによる差別が禁止されるようになりました。
そして、不可触民を意味する差別用語も
禁止されましたが、まだ差別は違う形で残っています。
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ジャーティについて
ジャーティは、カースト制(ヴァルナ)に
さらに職業別に細分化されたものです。
ジャーティの種類は約3000種類あると言われています。
ちなみにIT産業はジャーティの中に入っていない
新種の職業なので、シュードラ(隷属民)の人たちも
一気に財を成す人が増えました。
ジャーティは職業の世襲が原則ですが、
自分の身分よりも下の仕事につくことは可能です。
ところでジャーティの序列なのですが、
地域によって曖昧です。
例えば理髪師などは、北インドでは
低い身分ですが、南インドでは上位の職業です。
絶対的な基準はなく、相対的なものです。
序列を上昇させることも出来ますが、
経済力や政治力だけではなく、
生活様式も最上位のバラモン(僧侶)に近づける
必要があります。
具体的には、祭事を行ったり、菜食、禁酒など。
また、上昇が認められるのは個人単位ではなく
村や地域のジャーティに属する全員が
実行できなくてはいけません。
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なぜカースト制はなくならないのか
宗教における自己救済の意味合いもありますが、
被差別側も、若干の優遇が受けれるため
カーストがあったほうが有利になったりします。
普通に暮らせる分には困らない人が多数だと、
変えることは困難でしょう。
ただし、不可触民については
問題だと思います。
カーストを抗議したり、国外に出ようとする
人たちもいます。
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まとめ
バラモン教のベースにある
自己救済によるカースト制ですが、
仏教や神道にはない価値観ですね。
前世の罪は亡くなってから償ったり
生きている間は天罰という形で償います。
けっして人間が決めた制度で裁いたりしません。
まぁ、宗教的なことは何が正解かなんて
ないでしょうから、
彼らの文化を否定することはできないでしょう。
現代のインドは徐々に身分による差別も
薄れてきているようなので、
傾向としては明るいと思います。
余談ですが、中国には農民戸籍といって
農村部の人たちが都会で住めないようになってるとか。
また日本にも、まだまだ差別ってありますね。
非情に難しい問題です。
特に隠れた差別は本当に難し問題だと思います。
いずれにしても、タブーにせず
キチンと知っておく必要があります。
知ることすら辞めてしまうと
それ以上には良くならないでしょう。
最後まで読んでくださり
ありがとうございました!
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