2025年現在、日本では高市早苗氏が自民党総裁に選ばれ、「日本初の女性総理が誕生するかもしれない」と注目されています。この記事では、海外における女性リーダーの現状を整理し、日本が世界の中でどの位置にあるのかをわかりやすく解説します。
女性総理は海外で何人いるのか?現在の世界の女性トップは?
1. 世界で女性が国家のトップを務めた例
国連加盟193カ国のうち、これまでに70カ国以上が女性の首相または大統領を誕生させています。これは全体の約3分の1に相当し、女性が国家のリーダーとなることは世界的に見れば珍しくありません。
代表的な人物を挙げると:
- マーガレット・サッチャー(イギリス)…1979〜1990年在職。保守的改革で「鉄の女」と呼ばれた。
- アンゲラ・メルケル(ドイツ)…2005〜2021年まで長期政権を維持し、EUの安定を支えた。
- シリマヴォ・バンダラナイケ(スリランカ)…1960年に就任。世界初の女性首相。
- インディラ・ガンディー(インド)…アジアを代表する女性首相として高い影響力を持った。
- ジャシンダ・アーダーン(ニュージーランド)…若手女性首相として共感と実行力を両立。
- ゴルダ・メイア(イスラエル)…中東で初の女性首相として知られる。
このように、女性リーダーは政治・経済・安全保障など幅広い分野で成果を残してきました。
2. 現在(2025年時点)、女性トップがいる国
2025年時点では、女性が国家元首または政府の長を務める国は約20カ国前後です。主な国を挙げると次の通りです。
- イタリア:ジョルジャ・メローニ首相(2022年〜)
- デンマーク:メッテ・フレデリクセン首相(2019年〜)
- バングラデシュ:シェイク・ハシナ首相(2009年〜)
- モルドバ:マイア・サンドゥ大統領(2020年〜)
- エストニア:カヤ・カラス首相(2021年〜)※2024年夏にNATO事務総長就任の可能性あり。
- バルバドス:ミア・モトリー首相(2018年〜)
- アイスランド:カトリン・ヤコブスドッティル首相(2017年〜)
地域的にはヨーロッパが最も多く、アジアやアフリカでは依然として少数派です。ただし、南アジアや北欧諸国などでは、女性が複数回リーダーを務める例も増えています。
3. 日本との比較:なぜこれまで女性総理がいなかったのか
日本は経済的には先進国でありながら、政治分野でのジェンダー平等は大きく遅れています。世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダー・ギャップ指数2024」では、日本は146カ国中118位。特に政治分野での女性比率が低く、衆議院議員に占める女性の割合は約10%強にとどまります。
背景としては:
- 長年の男性中心の政治文化
- 政党内における女性候補者支援の不足
- 家庭や育児との両立を難しくする社会制度
といった構造的課題があります。こうした要因により、日本では女性が政治のトップに立つ機会が限られてきました。
4. 女性リーダーが国にもたらす影響
複数の国際機関や学術研究(UNDP、ハーバード・ケネディスクールなど)によれば、女性リーダーの誕生後には以下のような傾向が確認されています:
- 教育・福祉への投資が増える
- 汚職防止や政治的透明性が強化される
- 対話を重視した外交姿勢が見られる
- 女性や若者の政治参加が活発化する
ただし、これらはあくまで「傾向」であり、すべての女性リーダーに当てはまるわけではありません。政治文化や個々の資質によって成果は異なります。
5. 日本の現状と今後の展望
2025年10月現在、高市早苗氏は自民党総裁に選ばれた段階であり、まだ正式に内閣総理大臣に就任しているわけではありません。臨時国会での選出が見込まれていますが、現時点では「誕生見通し」の段階にとどまります。
それでも、高市氏の総裁選勝利は日本の政治におけるジェンダーの壁を打ち破る象徴的な出来事です。これまで男性が中心だった政治構造の中で、女性が国家リーダー候補にまで登りつめたこと自体が、歴史的な前進といえるでしょう。
6. まとめ:女性総理は海外で何人?
世界ではすでに70カ国以上が女性リーダーを誕生させており、2025年現在でも約20カ国が女性トップを抱えています。日本はようやくその流れに追いつこうとしている段階です。
高市早苗氏の台頭は、「女性が政治を動かす時代」が日本でも始まることを示す象徴的な一歩。今後、日本が多様な価値観を受け入れ、女性がより政治の中枢で活躍できる社会へと進化できるかどうかが問われています。
- 世界ではこれまでに70カ国以上が女性首相・大統領を誕生させている。
- イギリスのサッチャー、ドイツのメルケルなど歴史的女性リーダーが存在する。
- 現在も約20カ国前後が女性リーダーを抱えており、ヨーロッパが中心。
- アジアやアフリカでは女性首脳はまだ少数派だが増加傾向にある。
- 日本はジェンダー・ギャップ指数で118位と政治分野の平等が遅れている。
- 衆議院における女性議員比率は約10%強にとどまる。
- 政治文化や制度面での男性中心体制が長く続いてきた。
- 女性リーダー誕生後は教育・福祉投資や汚職防止が強化される傾向がある。
- 対話的な外交や若者・女性の政治参加促進にも寄与する。
- 高市早苗氏の自民党総裁就任は、日本政治の歴史的転換点。
- まだ正式な首相就任ではないが、女性リーダー登場の象徴的意義が大きい。
- 日本もようやく世界的な潮流に歩調を合わせ始めている。
- 多様性を受け入れる社会への転換が今後の課題となる。
- 政治分野での女性支援策の拡充が不可欠。
- 日本は“変化の入り口”に立っており、次世代にとって重要な節目を迎えている。