鯨油について採取方法と用途、匂いとその歴史について調べた

先日、日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退しました。

脱退については別記事にする予定ですが、
そもそもクジラって、過去には鯨油をとるのが
目的で乱獲されてきた歴史がありますが、

鯨油って、
・何に使われていたのか?
・どうやって取るのか?

他にも、匂いやその歴史について疑問に思い
いろいろと調べてみました。

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鯨油とは

鯨油はクジラから採取した油脂であるが、クジラの種類により得られる油脂の性質が異なる

クジラは大きくヒゲクジラ(口内に髭があるクジラ。シロナガスクジラ,ナガスクジラなど)とハクジラ(口内に歯があるクジラ。マッコウクジラ、ゴンドウクジラ、イルカなど)に分かれる。

・ヒゲクジラ(シロナガスクジラ,ナガスクジラなど)
・ハクジラ(マッコウクジラ、ゴンドウクジラ、イルカなど)

 

ヒゲクジラは、歯が無く、口内の髭でオキアミ、小魚などを漉しとって食べる。ハクジラは口内に髭が無く、魚類,イカ、イルカなどを歯で噛んで食べる。こういう食べ物の違いが、全く異なる質の鯨油を生み出す

ヒゲクジラから得られる鯨油は常温で固体で、化学的にはトリグリセリドであり、人が消化できる油脂である。一方、ハクジラから得られる鯨油は常温で液体であり、化学的には人が消化できないワックスエステルを含んでおり、食品用途には使用できない。

・ヒゲクジラ(常温で個体。トリグリセリド。人が消化できる)
・ハクジラ(常温で液体。ワックスエステル。食用不可)

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鯨油の採取方法

鯨を解体し、皮(皮下の分厚い脂肪層を含む)、肉、骨、脳などに分け、一般に、皮、脳は水と一緒に煮て、上に分離してきた油脂分を取りだし、ろ過して鯨油を得る『煮取り法』。この方法で肝臓だけから採取したものは肝油と言われる。(鯨油とは言わない)

一方、肉、骨などは加熱し、焼き肉のようににじみ出てきた油を下に落して採取する『煎取(いりとり)法』。
これらの作業は地上で行う場合と船上で行う場合とがある。

・煮取り法
・煎取(いりとり)法

シロナガスクジラの場合で、1頭から約15-20トン、マッコウクジラで1頭から9トン前後の鯨油が採取されるという。大雑把に体重の約1~2割である。

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鯨油の歴史

日本では8世紀にはすでに捕鯨が行われていた。泳ぐ速度の遅い、且つ死んだら浮上するセミクジラやコククジラ(両者共にひげクジラ系)を取っていた。その後、網捕り式捕鯨が生まれ、早く泳ぎ、死んだら水に沈んでしまうナガスクジラ科のクジラなども捕獲できるようになった。江戸時代には、捕獲から鯨油採取・鯨肉塩漬けなどを総合的に行う、組織(鯨組)も生まれた。

1860年代にノルウェーで、ロープ付の銛を発射できる捕鯨砲と動力付の捕鯨船が開発され、この技術は世界に広まった。さらに、採油設備を搭載した捕鯨母船(捕鯨工船)が実用化され、遠海での捕鯨が可能となった。20世紀初頭には、南極海での本格的な捕鯨が始まり、各国の捕鯨競争は「捕鯨オリンピック」と呼ばれた。

第二次世界大戦で一時中断したものの、乱獲が進み、シロナガスクジラなど鯨資源が枯渇した。
各国の捕鯨の目的は、鯨油獲得であったが、鯨資源枯渇で生産効率が悪化し、更に第二次世界大戦後は石油が廉価に大量に供給されるようになり、鯨油の代わりに石油や植物性油脂、あるいは魚油を原料とする代替品が製造され、鯨油の商品価値は低下した。

そういう中で国際捕鯨委員会(IWC)は鯨資源保護を理由に商業捕鯨を禁止し、1985年から実施され、今に至っている。日本はIWCの決めた調査捕鯨を行って、資源が豊富なミンククジラ(小型のひげ鯨)等を年数百頭捕獲し、主に鯨肉を供給してきた。ただ、捕鯨反対派のグリーンピースなどは、日本の調査捕鯨は実質商業捕鯨だと非難してきた。そういう中で2018年日本はIWCを脱退し、近海での商業捕鯨を復活することとした。
クジラは人類にとって大事な資源であり、資源保護に配慮するとともに、適切に利用することも極めて重要である。

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鯨油の匂い

一般的には、鯨油は魚油に比べ、匂いは小さい

ただ、ひげクジラから採取される鯨油には、不飽和脂肪酸のグリセリンエステルが含まれており、不飽和部分が酸化されやすく、古くなると異臭を放ちやすい。それを防止し、且つ保存性をよくするため、水素化して、不飽和部分を、飽和に変化させる(その際、融点が上がり、固くなるので水素化された油は硬化油と言われる)ことが行われる。

その際、完全に飽和に変える場合は問題ないが、不完全に飽和に変える場合、トランス不飽和脂肪酸が生成する可能性がある。このトランス不飽和脂肪酸は食べると健康上の問題を生じる可能性があるので、特に食用に使用する場合はトランス型が含まれないように十分にコントロールして水素化を行わねばならない。

硬化油は,マーガリン、石鹸、軟膏、化粧品などの原料に使われる。

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鯨油の用途

鯨油の用途は、昔は灯火用燃料、ロウソクの原料として使われたが、化学技術の発達とともにマーガリン、石鹸、化粧品、高級潤滑油、健康・栄養食品などに用途が広がった。ただ、「鯨油の歴史」の中にあるように、現状は石油、植物油ベース(或は魚油に)に置き換えられている。

灯火用燃料 – 世界中で最も古くからの用途である。魚油よりも匂いが少なく、植物油よりは安価なために主に庶民が利用していた。

洗剤 – 石鹸の原料となり、皮革製品の製造過程でも皮革表面の洗浄に一時多用された。

火薬 – トリグリセリドである鯨油を加水分解してグリセリンを得て、ダイナマイトの原料であるニトログリセリンの製造原料に用いられた。

農業用資材 – 日本において水田の害虫駆除用に用いられた。江戸時代に開発された技術で、水田に流して油膜をつくり、そこへウンカなどの害虫を叩き落として窒息させた。

機械用潤滑油- ハクジラから得た鯨油は低温でも凝固しにくい利点があり、寒冷地における軍事用車両や精密機器用に用いられる。

マーガリン – 20世紀初頭に水素化による硬化技術が開発されたことから、マーガリン原料に用いられるようになった。精製した鯨油を硬化し、添加物を混ぜて練り上げてマーガリンを作る。ドイツ、イギリス、日本で広く使用された。同様にショートニング原料にもなる。

化粧品 – ハクジラ(マッコウクジラなど)から取れる鯨油はワックスエステルを含むが、これを精製するとワックスエステル成分の一つパルミチン酸セチルが得られる。これは肌をきれいに保つ物質で化粧品に用いられる。

健康・栄養食品 – 特に肝臓から得た油は肝油と言われ、ビタミンA,DやEPA,DHAなどの必須脂肪酸などを含み、健康・栄養食品として様々な効果が言われている。鯨油の一種ではあるが、肝油と呼ばれ、鯨油とは言われない。

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感想

世界的な流れとして人間が食べる動物性タンパク質は、飼育下でのものにして、自然界から取るのはやめようという動きがあります。なので捕鯨自体が流れに逆行していますので、今後は縮小していくと思います。
鯨油に関しては全く使う必要がなくなりました。

今後、IWC脱退で、どのぐらい捕鯨が再開されるのか注目したいです。

最後まで読んでくださり、
有難うございました!

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