「おっさんフォース」管理人、みつーです。
種子法、種苗法とは別に遺伝子組み換えに関する法律として
「カルタヘナ法」
というのがあります。
果たしてどんな法律なのか、
簡単に説明します。
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目次
カルタヘナ法とは
1999年(平成11年)2月にコロンビアのカルタヘナで
国際会議が行われ、その地名にちなんで
カルタヘナ法と呼びますが、正式名称は
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」
長ッ!
あんまり長くて言いにくいので通称の
「カルタヘナ法」の方で話していきます。
カルタヘナ法って要するに、
遺伝子組換え生物を使用する上で、
現状の生態系を保全するための取扱についての法律
になります。
生物の多様性に悪影響がでたら駄目ですからね。
そうならないための未然防止策です。
使用方法や防止策など、取扱を規定する法律なので、
「遺伝子組換え生物の作り方」自体は規定していません。
なお、食品としての安全性が確認された
遺伝子組換え食品については、
JAS法及び食品衛生法で規定されています。
さて、「カルタヘナ法」には、その使用形態に応じて
2種類の措置方法を定めています。
・第一種使用等(開放スペースでの使用)
・第二種使用等(閉鎖スペースでの使用)
第一種使用等(開放スペースでの使用)
食料や飼料としての運搬、農地での栽培など。
生物多様性への影響がないと承認されたものが使用できる。
申請から承認まで
1.申請者は文献や試験データなどから使用方法等を定め
「生物多様性影響評価書」を作成する
2.学識経験者が生物多様性への
「影響あり、なし」を検討する
・「生物多様性に影響がない」と判断された場合は3へ
・「影響あり!」だったら、申請の修正を求めるか申請を拒否する
3.主務大臣は、学識経験者の判断もOKで、
パブリックコメント(国民の意見)も
問題なければ申請を承認する
4.食料として流通&畑で栽培・・・・
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【検討会にて学識者が見るポイント】
学識者が見るポイントは次の3つ
・在来種との競合
・在来種との交配
・有害物質を出すかどうか
これらについて問題なさそうなら
OKと判断するそうです。
【主務大臣とは】
環境省が主務官庁なので、環境大臣と
使用目的によって、以下の大臣も加わります。
農作物系と動物用ワクチン・・・農林水産省
治療用ウイルスなど・・・・・・厚生労働省
研究のための野外実験・・・・・文部科学省
第二種使用等(閉鎖スペースでの使用)
実験室、工場など。
環境中への拡散を防止するために定められた方法で使用できる。
研究実験機関などが、拡散防止をキチンとして
第三者機関(申請機関:車の教習所みたいな所)に見てもらい、
OKが出れば、さらに主務官庁が確認して承認します。
拡散防止をバッチリできているのがポイントですね。
ちなみに、主務官庁は目的によって変わります。
施設内での農作物品種改良、
動物用生ワクチン開発など ・・・・・・・・・・・・ 農林水産省
医薬品の製造工程での使用など・・・・・・・・・・ 厚生労働省
大学での遺伝子組換え実験での使用など ・・・・・・ 文部科学省
工業用酵素の生産工程での使用など ・・・・・・・・ 経済産業省
酒類をつくるための酵母の使用など ・・・・・・・・ 国税庁
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カルタヘナ法の違反事例
違反のほとんどが、「第二種使用等」での違反です。
事例としては、「間違えて普通に捨てちゃった」
というものばっかりです。
本来は遺伝子組換え生物は不活性化(熱処理)して
破棄しますが、
これをうっかり下水に流しちゃったり、
普通に廃棄ゴミにすてちゃったり。
うっかり事故ばっかりです。
発覚すれば、環境省に連絡して、
対応処置をしますが、
大体が、
「下水処理で不活性化する」
「ごみ処理所で焼却されたのを確認」
などと結論づけて終了しています。
その他の事例にも興味がありましたら
この資料をご覧ください。
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カルタヘナ法の罰則規定は?
カルタヘナ法の罰則ですが、
平成30年3月5日(月)から厳罰化されました。
遺伝子組換え生物を不適切な取扱をして
対応処置を命ぜられても
処置をしない場合、罰則が発生します。
『命令違反の罰則(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)』
まぁ、対応したい人っていないと思いますけどね(^_^;)
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ネットの声
カルタヘナ法は生物多様性への影響なので、食品としての安全性とは観点が違うし、そもそも食品の安全性は食品衛生法の範疇なので対応する法律も違う。
どうして食品としての安全性についての議論にならないのか、不思議だったんだよね…— Yuki Sasakawa (@sala031201) 2018年9月19日
新聞記事:環境省、ゲノム編集を法規制へ/新種生む恐れ(8月31日 日本経済新聞)https://t.co/NRigARP5aL
遺伝子を外部から組み込む場合には「カルタヘナ法」を適用、屋外栽培を規制する方針を決めた。— 農研機構 農業環境変動研究センター (@niaes) 2018年8月31日
就職後の自分の仕事を専門分野という観点で見ると、麦育種と遺伝的多様性→組換え体開発と品種識別→カルタヘナ法→組換え体開発とカルタヘナ法→遺伝的多様性と国際条約、という塩梅で法律や条約に関するキャリアが半分くらいを占める。
私の専門分野はこれらの包括ということになる。
— Bernardo Domorno (@Dominique_Domon) 2018年9月17日
https://t.co/d1axFQCzUk
遺伝子組み換えの危険性はカルタヘナ法という法律で十分な安全性が確保されない限り出荷しないという法律で守られている。 #クロス— ふじぽんぽん (@hirofujiponpon) 2018年9月16日
遺伝子ドライブビジネス?については個人的にカルタヘナ法の規制が気になるところですね。
アメリカは批准してないので好き放題出来そうな気もします… https://t.co/46VsrZPmRL— カラシヌコフ (@qryptDrop) 2018年9月10日
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まとめ
遺伝子組換えが食品に使われているかどうかは
表示義務があるのですが、
遺伝子組換えの作物が5%程度の混入なら
別に「遺伝子組換えでない」って
表示してもOKなんですって。
私自身は遺伝子組換えってあまり不安視
していないのですが、
この表示義務については
なんか、微妙・・・
最後まで読んでくださり
ありがとうございました!
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