2026年1月下旬、東京・上野の路上で発生した「4億円強奪事件」は、日本社会に大きな衝撃を与えた。被害額の異常さに加え、スーツケースに詰められた現金、催涙スプレーを用いた手口、さらに羽田空港や香港で発生した関連事件の存在が、単なる偶発的な路上強盗では説明しきれない違和感を残している。
本記事では、まず報道で確認されている事実を整理したうえで、「犯人は誰なのか」「なぜ巨額の現金が銀行を使わずに運ばれていたのか」といった点について、あくまで考察として背景構造を読み解いていく。
【事実】上野4億円強奪事件とは何が起きたのか
事件の概要(報道で確認されている事実)
事件が起きたのは2026年1月29日午後9時半ごろ。東京都台東区東上野1丁目付近の路上で、日本人と中国籍を含むとされる男女複数人(7人と報じられている)が、3人組の男に襲われた。
犯人らは催涙スプレーのようなものを噴射し、被害者が所持していたスーツケース3個を奪って逃走。スーツケースの中には現金およそ4億2千万円が入っていたとされる。
また、事件前後には逃走車両とみられる車が通行人の50代男性をはねるひき逃げ事件も発生し、男性は軽傷を負ったと報じられている。
羽田空港で起きた強盗未遂事件
上野の事件翌日となる1月30日午前0時10分ごろ、羽田空港第3ターミナルの駐車場で、50代男性が「催涙スプレーのようなものをかけられた」と110番通報する事件が発生した。
この男性の車内には現金約1億9千万円が積まれていたが、犯人は金を奪わずに逃走したとされる。被害者はいずれの事件でも「香港へ現金を運ぶ予定だった」「両替や資金移動に関わる仕事をしている」と説明しており、警視庁は両事件の関連を慎重に捜査している。
【事実】現時点で分かっている捜査上のポイント
- 上野事件と羽田事件は手口が酷似している
- 逃走車両の名義が暴力団関係者だったと報じられている
- 犯人や組織の特定には至っていない
これらはいずれも、報道や警察発表で確認されている範囲の事実である。
【考察】犯人は誰なのか?考えられる3つの可能性
※以下は報道内容や専門家コメントを踏まえた一般的な考察であり、捜査当局が公式に認めたものではない。
① 日本の反社会的勢力・準反社が関与した可能性
逃走車両の名義が暴力団関係者だったとされる点から、日本の裏社会に近い人物が何らかの形で関与していた可能性が指摘されている。ただし、実行犯と計画立案者が分業されていた可能性もあり、日本側はあくまで実行や段取りを担っただけという見方もある。
② 中国人社会の内情を知る人物が情報源だった可能性
4億円規模の現金輸送の日時やルートを把握していなければ、今回の犯行は成立しない。そのため、中国人社会の中で現金輸送や資金移動の慣行を知る人物が情報源だった可能性も考えられている。
③ 国境を越えた混成チームの可能性
日本で実行し、海外で資金処理を行うといった役割分担があった場合、日本人と中国系関係者が緩やかにつながった混成型の犯罪グループだった可能性も否定できない。
【考察】なぜ4億円を銀行ではなく現金で運んだのか
「日本は安全」という認識
一部の外国人社会では、日本は治安が良く、現金を持ち歩いても安全だという認識が根強いと指摘されている。この前提が、結果としてリスク判断を誤らせた可能性はある。
現金輸送という慣行
中国や周辺地域では、スピードや匿名性を重視する取引において、銀行を介さない現金移動が選ばれるケースが存在するとされる。ただし、今回の事件が違法な資金移動であったかどうかは、現時点では明らかになっていない。
【考察】地下送金・香港ルートとの関係
地下送金とは、正式な銀行システムを使わずに資金を移動させる仕組みを指す言葉であり、合法・違法がケースによって分かれるグレーゾーンの概念である。
香港は国際金融都市であり、通貨交換や資金移動が比較的自由なため、中継地として使われることがあると指摘されている。ただし、今回の事件が地下送金と直接結びつくかどうかは、捜査の進展を待つ必要がある。
まとめ
上野4億円強奪事件は、現時点では犯人像や資金の性質が確定していない未解決事件である。
一方で、巨額の現金が物理的に移動していた事実、複数事件の関連性、情報漏洩の可能性などから、偶発的な強盗ではない可能性が指摘されている。
本事件は、日本社会が前提としてきた「安全性」や、国際化の中で見落とされがちな資金移動リスクを浮き彫りにした事例として、今後の捜査結果が注目される。

